シンギュラーポイントでのつま先立ち

時間というものほど説明しがたいものはない。
時間のことははっきりと体感して良くわかっているつもりになってはいるが、説明しろといわれると頭をかかえてしまう。

過去は、既に存在しない。未来も存在はしていないはずなのに、空間は、全方向の過去の認知であるという事実から、これまで、空間と時間を逆に捉えていたのでないかというふうに思う。

1m先にあるリンゴは、常に3.3ns過去であって、今のリンゴのことは知りえない。つまり、空間の方が遅延時間(単に知りえるまでの時間)であって、その時間そのものというのは、それを捉える側の問題にすぎないということ。原子の中の電子の動きにしてもその曖昧さそのものを具現しているだけで、空間の中の電子雲ではないのではないだろうか。そうとでも考えないと量子のゆらぎが理解できない。

そうすると、もともと何も存在してはいないところに、宇宙が誕生したのではなくて、今においても存在しているのか存在していないのか、はじまっているのかおわっているのか曖昧なままで、いわゆる特異点の真っ只中でつま先立ちしているのかもしれない。

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