実感が伴わないもの。自分の年齢や景気とか、自分が生きている実感なんていうのも人によってまちまちじゃないだろうか。
科学方面では、電波、放射能、宇宙137億光年なんかも実感できないし、そもそもアボガドロ定数とプランク定数なんか有名で基本的な定数なんだけどさっぱり実感が湧かない。
アボガドロ定数は、炭素12gの原子の個数、プランク定数は、光子の1Hzあたりのエネルギーでアボガドロ定数は巨大、プランク定数は極小。
具体的には、アボガドロ定数6.0×10^23 mol-1、プランク定数6.6×10^-34 m2kg/sで、それぞれ実測されているんだけど、一方の値から他方を論理計算すると値がかけ離れるという謎が残るらしい。
つまり、プランク定数からアボガドロ定数を計算すると実測と一致しないということ。どちらかが間違っているんだろうか? アノマリーってやつか。
それはさておき、この二つの実感の伴わない定数が実は本当の「現実」なんだから、なるべく実感したいけどなかなか難しい。
ミリ、マイクロ、ナノ、ピコ・・・・・
キロ、メガ、ギガ、テラ・・・・・
仏教用語でも
分、厘、毛、・・・ 刹那 ・・・・
千、万、億、兆、京、垓・・・・
どちらの定数も、これらより桁違いなので本当に実感がわかない。
「ケシツブ程の大きさ」なんて言い方をすることがあるけど、仏教で、「芥子劫」というのが、7km立方の箱に芥子粒を詰め、百年に一度、一粒ずつ取り出してもまだ余りある時間らしい。
ざっくり計算すると
芥子粒を0.1mmとすると、だいたい7km立方にアボガドロ定数1モルの芥子が詰まる。1秒に一個ずつ取り出しても19兆年掛かる。(宇宙終わってます。)
でも、プランク時間で一個ずつ取り出すなら、3.2×10^-20秒で数え終わる・・・。こうなると実感どころか想像すらできない。
ちなみに、地球の体積は、1.1×10^21 立方m なので バスケットボール 1モル が地球の体積位になる。これでも実感は湧かない。
8Kのモニターは約3318万画素もあるんだけど、画素 1モル は、8Kモニター 1.8 京台分になる。世界80億人に8Kモニターを一人当たり220万台配ってやっと画素1モルになる。
これが、たかだか炭素12gの原子の個数と同数なんだから驚きだけどやっぱり実感は湧かない。
実態とか現実というのは、人間には実感できない途方もない細密さで出来上がっているってことなんだな。8kモニターの画素数でわかるように、人間は、そのごく限られた表面しか認識していないってことになる。
これじゃ、どんな物事にしても現実感がないっていうのも当たり前。そういうもんだということだけでも解っておこう。
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